マニック・ストリート・プリーチャーズ

『ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ』マニック・ストリート・プリーチャーズ

あの頃、「本気」でマニックスが好きだった人達は、
今頃どうしているんだろう・・・。

このアルバムを聴くとそんな事を思ってしまいます。

『ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ』(2009)
マニック・ストリート・プリーチャーズ

ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ

『ノウ・ユア・エネミー』で失望してから、
もうマニックスのアルバムを買うことはないだろうと思ってましたが、

リッチー・エドワーズの詩、
スティーヴ・アルビニのプロデュース、

これらのキーワードと、決め手となったのは、
リッチーを彷彿させるジャケット(ジェニー・サヴィル)の絵でした。

まず、各曲ごとに、ニッキーによるサウンド面の解説や、ピストルズ、PILをはじめ、ニルヴァーナ、エコー&バニーメン、マガジン、ピクシーズ、ニック・ドレイクという、その曲のインスピレーション源を書いてるというのも、パンク/インディー・キッズ(心は)の俺にはそそられます。

そして、このアルバムのサウンドは、やはり「『ホーリー・バイブル』が次に必然的に導いたであろうアルバム」を目指しただけあって、もしリッチーがいれば、次はこういう感じになってたかもしれないと思わせるものでした。
さすがに『ホーリー・バイブル』ほどの切迫感や鋭さといったものはありませんが、大げさすぎない、ちょっとした抑揚の変化やリフで聴かす「マニックス節」ともいえる楽曲は、さすがジェームスといえます。

今でもマニックスとは「4人の絆」なんだという事を証明してみせる、時を超えた『ホーリー・バイブル』の続編もまた、傑作といえるでしょう。

だからこそ、このアルバムを聴いてると、強烈なノスタルジーに陥ってしまい、こういうことを想ってしまうんです。
当時、「本気」でマニックス(とくにリッチー)のことを好きだったさまざまな人たち(もうロックを聴いてない人もいるだろうし、マニックスに興味をなくしている人もいるでしょう)は、このアルバムを聴いてどんなことを感じるのだろうか・・・と。
俺がそうだから。

 

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「アルバム・シークレット・トラック」

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『モータウン・ジャンク』マニック・ストリート・プリーチャーズ

「俺達のやれることで最も重要なことは、とんでもない注目を一手に集め、そのまま全部捨てちまうってことなんだ。
アルバムは1枚だけ作って終わりにしたい。30曲入りの2枚組にして、それが俺達を代弁することとなるわけだ。
で、俺達は解散する。やりたいことはそれだけだし、
それだけを目的にしてこれまで生きてきたんだ。
インディー・チャートのトップに立ったり、ナショナルチャート30位なんかにつけても、これっぱかしのありがたみもねえよ。
ナンバー・ワンじゃなきゃ駄目なんだ。
俺達はただ、90年代における最も重要な評価基準に自らなりたいだけなんだ。それだけなんだよ」

シーンに登場した途端に解散宣言をぶちかました、
マニック・ストリート・プリーチャーズ。

ウェールズのインテリ大学生だった彼らが、
バンドを始めることになったのは、TVのパンク10周年記念番組で全盛期のクラッシュの映像に衝撃を受けたことがきっかけ。

「ピークが過ぎても生き残っているバンドはロック・バンドじゃないし、
人々もそう認めてやるべきじゃないんだ」

ロック・サラリーマンへの逃げ道を封じ、
自覚的計画的なセックス・ピストルズを目指したのが、
冒頭の前代未聞の『デビュー解散宣言』でした。

そして、この発言と時を同じくして発売された『モータウン・ジャンク』で、時代遅れの田舎パンクスだった彼らが、
ブリテッシュ・レベル・ロックの金字塔を打ち立てます。

お前らなんかと共存したくなかった
お前らに教えられたのは窒息死する程の退屈さと
安っぽい夢に漂流する事だけ
そんなものは何の役にも立ちゃしない
惨めな街で神経が麻痺し
奴らの為に墓穴を掘ってやりたいだけさ

モータウン・ジャンク
ジョン・レノンが死んだ時はあざ笑ってやった
21年間、生きてきた俺にとって
これっぱかしの意味も持たなかったんだ

モータウン・ジャンク、終身奴隷制度
ラヴ・ソングは下層階級の裏切りを象徴し
168秒間だけ若者の鼓動を止める
168秒間だけ思考回路を停止できるんだ

そんなものは欲しくない
だってお前らの英雄達が提示できるのは
未来への恐怖だけだろ?
過去なんか何の役にも立ちやしない
だって俺は今、死にかけてるんだから
自治的な虐政と自殺を促す終身刑

モータウン・ジャンク
ジョン・レノンが死んだ時はあざ笑ってやった
21年間、生きてきた俺にとって
これっぱかしの意味も持たなかったんだ

モータウン・ジャンク、終身奴隷制度
ラヴ・ソングは下層階級の裏切りを象徴し
168秒間だけ若者の鼓動を止める
168秒間だけ思考回路を停止できるんだ

 
スティ・ビューティフル
『モータウン・ジャンク』を含み、
『ユー・ラヴ・アス』『ステイ・ビューティフル』と、初期のEP3枚が収められているミニ・アルバム『ステイ・ビューティフル』。

このシングル3連発は最強です!
もしこの路線のまま、10~12曲入りのデビュー・アルバムを作ってたら、俺にとって「永遠の」名盤になってたでしょう・・・。

『ユー・ラヴ・アス』もデビュー・アルバムに入ってるハード・ロック・バージョンよりも、こっちのパンク・バージョンの方がはるかにかっこいいです!

~マニックス・ミニストーリー、続く~

『ステイ・ビューティフル』~美しく生きよう~

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『ステイ・ビューティフル』~美しく生きよう~

そうすか・・・、リッチーが・・・。

「英裁判所は、1995年以来失踪しているマニック・ストリート・プリーチャーズのギタリスト、リッチー・ジェームス・エドワーズを死亡したものとみなしたという。」

マニック・ストリート・プリーチャーズ・・・、
俺にとっては特別なバンドです。
そしてリッチーは、今までで俺が一番好きになったアーティストです。

あの頃、世の中に対して違和感を感じていて(今だにですが)、いいようのない孤独感に襲われていた俺だけど、世の中に「自分みたいな人」がいるんだと知って救われたのが、マニックスの音楽、リッチーの書く詩や存在でした。

そんな自己嫌悪体質の俺が、その当時好きになるのはそういった自分が共感出来るアーティスト達でした。
カート・コバーンもそんな存在だったし、
ザ・スミスの『ハットフル・オブ・ホロウ』は自分そのもののように感じたし、やはりレディオヘッド『パブロ・ハニー』。
基本的にはスミスに影響を受けているようなバンドは大抵好きです。

いやもちろん享楽的なポップ・ソングというのも、
それはそれで好きなんですけどね。
いわゆるブリット・ポップなんかも聴きまくりましたが、それよりも後追いでパンク~ニュー・ウェイヴにどっぷり浸かってました。

享楽的なレイヴ・カルチャーの真っ只中に登場し、それらをすべて否定、そして時代遅れのパンク・ロックを鳴らしたマニックス。

「お前らはニセ物だろう?」と食い下がるNMEのインタビュアーに怒ったリッチーが、ナイフで自らの左腕に「4REAL」と彫り込んで大怪我をした『4REAL事件』。

2枚組のデビュー・アルバムを発表して、世界中で1位を獲得して解散するという、『デビュー解散宣言』。

ピストルズなんか知らない俺にとっては、
すべてがスキャンダリズムで最高でした!
俺はマニックスを聴いて、パンクを聴くようになりました。

そんなパンクに影響を受けていた、
マニックスの初期のシングル『ステイ・ビューティフル』。
オーソドックスなロックンロール・ナンバーですが、タイトルが特別なものがあるし、やっぱり歌詞が好きでした。

 
平穏無事な毎日の中で信義を捜してろ
そうすりゃ17歳で身も心もボロボロさ
自滅した英雄達の夢で頭をいっぱいにしてろ
そうすりゃ世間ヅラや束縛さえ愛せるはずだぜ

俺達はアイ・ライナーや噴霧塗料で身も心も塗ったくり
自己流でファッション壊滅
消費文化なんか否認しろ
これは自己破壊主義の文化なんだぜ

お前らの顔なんか見たくもない
お前らの言葉なんか聞きたくない
だから何で・・・(くたばっちまわないんだ!)

家出娘達は毒づいた唇で逃げ口上を並べ
永遠に続くキスの為に抱擁を待つ
自己消耗の喜びにすがりつき
生涯続く憎しみの中に沈殿するんだ

学校も失業保険も小切手帳を持つ夢も
新しい服やスーツや特別年金手当も
(もうそんなものはどうでもいい)
なのにお前らは俺達の気持ちが解るって言うのか?
俺達に愛を説いたって無駄さ
よけい憎しみをあおるだけなんだから

お前らの顔なんか見たくもない
お前らの言葉なんか聞きたくない
だから何で・・・(くたばっちまわないんだ!)

狂気に破壊され、ベイビー
バンドなんかみんなぶっ潰しちまえよ

 
「ステイ・ビューティフル」・・・、
マニックスの音楽をほとんど聴かなくなった今でも、
この言葉は俺の心に突き刺さっています。

~美しく生きよう!~

 
「リッチー・ジェームス・インタビュー」

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