パンク/ニューウェイヴ

夏の一枚!『ロケット・トゥ・ロシア』ラモーンズ

”シンプル・イズ・ビューティフル・アンド・ファン!”

Rocket to Russia

革ジャンに穴あきジーンズといういでたちで現れ、
原始的ともいえる1曲2分の3コードのロックンロールを叩きつけて、
テクニック至上主義に陥っていたロックにダイナズムを取り戻し、
シーンの流れを一気に変えたファースト『ラモーンズの激情』。

この『ロケット・トゥ・ロシア』は、77年発表の傑作サード。

「ロッカウェイ・ビーチ」「シーナはパンク・ロッカー」とキャッチーなシングル2曲を筆頭に、ビーチ・ボーイズが歌った「ドゥ・ユー・ウォナ・ダンス」や「サーフィン・バード」というカヴァー曲を含めて、ビーチ・ボーイズ風のポップ感覚とラモーンズのロックンロール・ビートが融合されたカラフル・ポップなアルバムで、アルバムタイトルと裏ジャケットの楽しさを含めて痛快丸かじりな一枚。

話は少しズレますが、いろいろなブログを見て実感するのは、
俺がリアルタイムで聴いてきた音楽に対する認識と、
後追いで聴いた人との認識のずれというか温度差の違い。
まあそれは当たり前のことだと思ってますが。

例えばニルヴァーナ。
俺が、なんの予備知識もなく、ある日「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」を聴いた時の衝撃。
今の人が、すべての物語やその後の音楽シーンを知った上で、ひとつの古典的名盤として聴く「ネヴァー・マインド」。
やっぱり違って当然でしょう。

なぜこういう事を書いたかというと、俺は84年に洋楽に目覚めたので、それ以前の音楽について書く場合、リアルタイムで聴いてきた人にとっては、的外れかもしれないからです(笑)。
それと、後追いで聴く場合、どのアルバムから入るかで、全然違ってくる場合があるんじゃないかと思います。

それらを踏まえて、ラモーンズのベストといえば??
リアルタイムで聴いてた人や(俺にとっての「スメルズライク~」みたいなものでしょうか)、後追いでファーストから入った人なら、ほとんどが『ラモーンズの激情』をあげるかもしれませんが、『ロケット・トゥ・ロシア』から入った俺からみれぱ、ラモーンズのベストは間違いなくこのアルバム。
このアルバムのキャッチーさの後で、ファーストを聴くと、
単調な感じがしてなにか物足りません。すみません(^^;)。

Ramones

夏にぴったりな一枚です!!

 

『ロッカウェイ・ビーチ』

 

「キラー・ビーチ」ミッシェル・ガン・エレファント

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ピストルズ以上の衝撃!「メタル・ボックス/PIL」

『メタル・ボックス』(1979)PIL

Second Edition

セックス・ピストルズを脱退し、本名に戻したジョン・ライドンが、
ピストルズ以前にパンクであった「仲間」(ジャー・ウーブル、キース・レヴィン)と共に結成し誕生したのが、
このPIL(パブリック・イメージ・リミテッド)。
これはPILが、79年に発表した衝撃のセカンド・アルバム!

次作の「フラワーズ・オブ・ロマンス」へと続く、
ロックの解体作業は非常にスリリングです。

The Flowers of Romance

『スワン・レイク』

「メタル・ボックス」を初めて聴いた時は、正直”ぶっ飛び”ました。
ロック的な高揚やビート感から意図的に離れ、広い空間をベース、
ギター、ヴォーカル、ドラムが自由に浮遊し、緊迫感のある世界が
広がっていました。俺はこのアルバムを聴いて「本当の意味でのパンク」というものを理解しました。

オリジナルは12インチ・マキシ・シングル3枚を、地雷を模したとも
言われるメタル缶に入れてリリースされましたが、これは当時ジョンたちが夢中になっていたレゲエ/ダブの低音、そして豊かにうねる中音を求めた結果、こういう形態になったそうです。
でも俺は、「セカンド・エディション」のCDしか聴いた事がないので、
本当の意味でのこのアルバムの凄さは体感してません(^^;)。

後は、当時のジョン・ライドンのインタビューから、
このアルバムの魅力などを伝えたいと思います。

アルバムを作った当時の状況を、

「ずっと前から、金属とレコードを組み合わせることに興味を持っていた。そのアイディアをレコード会社に話したけど、コストが高くつくというので、まったく実現の可能性がないと言うんだ。それなら少し無理してもいいから、自分たちでメタル・ボックスを作ろうと思ってね。俺がカンヅメ会社に行って何から何まで交渉してきたんだ。そして、その代金は全部自分達で負担する。レコードが売れれば、カン代が俺達の印税から引かれてゆくという仕組みになっている」

こうしてDIYで、5万セットが限定で作られました。

このアルバムの特徴は、という質問に

「何といってもサウンドが最高さ。なるべくいいステレオで聴いてくれ。それも日本製のな、特にベースの音はブッ飛ぶぜ。日本の木の家なんか、ガタガタ揺れるかもしれないな。それにレコードに合わせて踊ったっていいんだぜ。この世の中に、一緒に踊れる曲があまりにも少なすぎる」

~最後に、1983年来日時のインタヴューより~
あなたが「スワン・レイク」を歌った時、周りの聴衆の何人かが、突如理由もなく呼吸困難に陥り、バタバタと倒れたという現象が起きたんですが、そのことをどう思いますか?

「スワン・レイク・・・、あの曲は俺の母が死んだ時に書いた曲なんだ。
母はガンで一年間も苦しみながら死んだ。俺があの曲を歌う時、
いつも心の中で母のことを想って泣いてるんだ。”あなたの瞳の中にある死に対し、俺は何と表現したらいいんだろう・・・”
最初の一節はこう歌ってるんだ。それはきっと、俺の母を想う気持ちが、空気を伝って人々をトランス状態に導いたんだと思う。」

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『パンクは変化であり、そして姿勢である』ジョー・ストラマー

「トライすらできないヤツが、
やっている人間に何を言えるって言うんだ?」

『パンク』
この言葉を聴くと、俺の心は震えます。
ロックの一ジャンルに留まらない、
特別な「何か」が、この言葉にはあります。

大好きなクラッシュのジョー・ストラマーについて書きたいと思います。

雑誌「ニュー・ルーディーズ・クラブ」に載ってたエピソードとストラマー語録を織り交ぜながら、書いていきます。

まず俺の1番好きなエピソード。

写真家のハービー山口氏が、ロンドンの地下鉄で面識の無い
ジョー・ストラマーと偶然、
出会った時のものです

1979年のある日、地下鉄に乗ってると、
向こうの座席にジョー・ストラマーがいた。
僕はおそるおそる「写真を撮ってもいいか?」と聞いた。
彼はにっこり笑って「いいよ」といい、
僕は彼のすきっ歯の笑顔にホッとして、
揺れる車中で夢中になってシャッターを押した。

次の駅で、ジョー・ストラマーが降りようとし、
僕は「サンクス」と挨拶した。すると彼は、

「撮りたい時はいつでも撮れよ。それがパンクだぜ!」

と言い残し去っていった。その言葉を聞いた瞬間、
パンクとは何かという僕の疑問が解き明かされた。

やりたいことは、今やるんだ!
そのエネルギーを持つ。
やりたいことに正直になる、
それがパンクなんだと。

電車を降りた僕は、嬉しさのあまり、
駅の階段を駆け上って、ロンドンの街へ出ていった。

この時撮った写真は、それからプリントされることなく、
20年の時を超えて、初めてプリントされ、掲載されました。
なぜ今まで、その写真を確かめようとしなかったのか、という問いに
「誰かに請われて撮ったのではない、撮ったことで満足だった」
とハービー氏は、言葉少なに語ったそうです。

この写真は、ジョー・ストラマーという男の本質をとらえてて、
ハービー氏に信頼の眼を向けている、とても優しい表情でした。

そして、もうひとつ。

「あいつらと一緒にいる時が一番嬉しい。
あいつらは俺たちを必要としている。
俺たちのロックンロールが毎日暮らしていくために必要なんだ」

ステージ終了後のドレッシング・ルームにつめかけるファンの中の
少年のひとりが、ジョーにサインをもらいながら語りかけた。
「クラッシュにしてはチケットが高すぎるよ、ジョー」
ジョーはこう答えたという。


「これが精一杯なんだ。ツアーをやる時は臨時のスタッフも
必要だし、交通費やホール代も高くなった。
信用してくれ、これがギリギリの線なんだよ」


「でもジョー、すぐに用意できる金額じゃないよ」
チケット代は、約1300円である。

帰りのバスの中で、まったく無言のジョーを見ると、
ジョーは涙を流していた、という。


「子供たちのためにコンサート会場をつくりたい。
そうしたら1ポンド(約540円)でコンサートができる」

去年、ローリング・ストーンズとU2は、ツアーの収益が
数百億円だったそうです。ビジネスという視点で見ると、
そういう意味では、
クラッシュは二流以下のバンドでした。
レコードは安くする、コンサートチケットは安くする、
ベネフィット・コンサートにはノーギャラで出たがる、
大ホールではやらない、TVでプレイしたがらない、
さらに、バンドは大きな利潤をあげてはならない、
という鉄則を守ってました。

当時、彼らとマネージメント契約をした会社の社長によれば、
「契約の際に、ジョーに念を押されたよ。絶対に大儲けしようと
思うな。われわれのファンから搾取してはいけない、
利益は活動が維持できる最小限のものに留めろってね。経営は当然苦しいよ。でも、そういうクラッシュが好きさ、個人的にもね」

クラッシュは、スタジアム・バンドになることを一切、拒否しました。
「青臭さの抜けきらない男」とするならそれでもいいでしょう。
ただジョー・ストラマーという人物は、常人以上に強靭な精神力と
意思を持った男だったとだけ言っとく必要があります。

そういうクラッシュとジョー・ストラマーが俺も大好きです。

「やつらにとってはいやな毎日の連続なんだ。
だから言うんだよ。がんばれよ、くじけるなよってね」

 
ジョーはこう言ってました。

『Punk is Atitude』と。


ジョー、俺もあんたみたいに、死ぬまでパンクの精神を持ち続けて生きていくよ。

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