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『ハピネス』曽我部恵一BAND

ロックンロールへの情熱を取り戻した、ソロ3作目『ストロベリー』、それに伴う『無政府主義的恋愛ツアー』を観た時に、「日本で一番ロックンロールしてるのは曽我部恵一だ!」と確信していた俺にとって、曽我部恵一BANDというのは、「今さら?」という感じもしたし、「ああ、やっぱりな」と思うものでもありました。

ソカバンのファーストは好きだし、よく聴いたんですが、曽我部恵一の魅力の一部分だけを強調したサウンドなので、心の底からのめりこむものではありませんでした。ただサニーデイやソロをあまり知らなかった若いリスナーには分かりやすかったかもしれません。

『ハピネス』曽我部恵一BAND(2009)

ハピネス!

基本的な路線は、直球ど真ん中のロックンロールだったファーストと変わりませんが、『サニー』など、メロウな曲も収録されていて、アルバム全体的にマイルドになった感じがします。

中学生の時は、パンクしか聴いてなかったという曽我部恵一が、
その中でも大好きだったという、ラモーンズザ・ブルー・ハーツ

1曲目の『I LOVE MY LIFE』は、ラモーンズの「ロックンロール・レディオ」で、ラストの『永い夜』は、まるでブルー・ハーツのファースト!

この『ハピネス』、曽我部恵一BANDのセカンドですが、サニーデイでは「初期衝動を爆発させた」ような音を鳴らすことはなかったので、曽我部恵一というアーティストにとってのファーストのようなアルバムなんじゃないかと感じました。

『永い夜』

『東京ディズニーランド』という曲は、曽我部の実生活を描いた歌詞で、まだ結婚もしてなくて、子供もいないっていう人には分からないかもしれませんが、この曲には家庭を持って、小さい子供のいる俺みたいな男にとってのリアリティで溢れています。

田中宗一郎からは「世俗的すぎる」と言われたりしますが、俺は評論家が納得するものや若いリスナーが共感する「物語」を書くよりも(もちろんある程度はそういうのも必要だろうけど)、こういう「リアル」なことを歌うのはいいんじゃないかと思います。

だって『パンク』っていうのは、政治的なことを歌うことでも、過激なことを歌うことでも、創った物語を歌うことでもなんでもないんだぜ!その人にとってのリアル、「自分自身」を歌うってことが『パンク』なんだから。

ジョニー・ロットンが、ジョー・ストラマーが、政治的なことを歌ってたのは、彼らの生活の中から出てきた自然なことだったし、例えばバズコックスを語る時に「パンクだけど、政治的じゃなくうんぬん・・・」というのを見かけたりしますが、「いやいやいやいや、その姿勢こそがパンクやろ!」と思ってしまいます。
もちろんニューヨーク・パンクも大好きです。

話が逸れましたが、試行錯誤でさまざまな音を鳴らしてきたソロでの10年間や、このアルバムで「置いてきた初期衝動」を鳴らし、やりたいことをすべてやったことによって、迷いなしに、サニーデイ・サービスのニュー・アルバム作成という流れに傾いたんじゃないかなあと、俺なんかは思ってしまいます。

『ほし』

 
『I LOVE MY LIFE』
~Baby Baby ハードコアな人生かも
 だけどトキメキのパスポート 持ってる
 Baby Baby 今日の日にKISSをして
 ぼくら胸をはって言うのさ
 ゛I LOVE MY LIFE!!゛~

 
いい年したおっさんがする音楽じゃないだろ!
と、思う人もいるとは思いますが、誰も鳴らしたことのないロックンロールを鳴らし続ける曽我部恵一の、
「38歳のパンク・ロック」、
悪くありません。

『本日は晴天なり』サニーデイ・サービス 

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コメント

しまった・・・なぜかタイミングを逸したままでセカンドはまだ未聴のままでした。
ファーストはあんなに好きだったと言うのに。。。
アルバム全体の感じはどうなのでしょう?変わってました?

しかしこの人たちはどこでも円陣組んでるな(笑)。
オレも誰かと組みたい。あえてこの歳だからこそ!

投稿: コハゲ | 2010年5月16日 (日) 18時15分

コハゲさん、
アルバム全体でというとほとんど変わってないと思います、音がちょっとマイルドになったかなという印象ぐらいで。あと俺的には歌詞がセカンドの方が共感する感じで好きです。
ある意味ワンパターンともいえるので、これ以降はどうするんだろうという、曽我部恵一バンドとしての手詰まり感があったので、サニーデイのニュー・アルバムという流れは納得でした。

確かに誰かと円陣組みたいですね(笑)。
なんかそういうの楽しそうだし、誰かと何かを一体化して出来るっていうのは、羨ましくもありますね~。
コハゲさん、いっちょ組みますか(笑)。

投稿: william | 2010年5月16日 (日) 22時58分

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